三国志とレッドクリフについて教えて下さい。
以前から三国志にとても興味があったのですが今だに文献など目を通しておらず、レッドクリフも観たいとずっと思っていながら昨日になってようやく先日放送分の録画しておいたものを観ることができました。
全く分からない状態で見たので人物など追いかけるのが大変でした。そこで、主要な人物とそのつながりを教えていただけたらと思います。顔を把握している金城武さんは諸葛孔明を演じていました。諸葛孔明を軸に教えていただけるとわかりやすく幸いです。他、なんとなく掴めたことといえば、劉備はいい人っぽいということです。そもそも、三国志は史実なのでしょうか?物語なのでしょうか?お詳しい方々からすると「何を聞いてるんだ?!」と思える質問かと思いますが、本当にわからないのでご容赦ください。
よろしくお願いします。
レッドクリフは、「赤壁の戦い」の映画。
・孫権勢力(のちの呉)
周瑜(主人公、軍総司令官、トニー・レオン)
小喬(周瑜の妻、曹操が狙う、リン・チーリン)
孫権(君主)
孫尚香(孫権の妹、でぶすけ)
甘興(甘寧がモデルの架空人物、中村獅童)
魯粛(孔明とともに小舟に乗り、矢の雨を受ける)
黄蓋(赤壁の戦いで、火のついた船で曹操軍に突っ込む)
・劉備軍(のちの蜀)
孔明(諸葛亮、金城武)
劉備(君主)
関羽(劉備の義弟、あごひげ)
張飛(劉備・関羽の義弟、怪力)
趙雲(槍の名手、赤ん坊を抱え突破、棒高跳び)
糜夫人(劉備の妻、趙雲に子を託し井戸に身を投げる)
阿斗(劉備・糜夫人の子、赤ん坊)
・後漢・曹操軍(のちの魏)
曹操(君主、周瑜の妻・小喬を狙う)
孫叔財(架空の人物、曹操軍の小隊長、孫尚香を『でぶすけ』と呼ぶ)
献帝(後漢最後の皇帝)
曹洪(曹操の弟)
華陀(軍医)
蒋幹(周瑜の同郷、偽手紙をつかまされる)
蔡瑁・張允(投降した水軍、偽手紙により疑いを掛けられ斬首)
夏侯雋(夏侯惇・夏侯淵がモデルの架空人物、小喬を殺そうとする)
あらすじ
PARTI
劉備軍は、曹操軍から必死に逃げていた。
しかし民衆も引き連れていたため思うように進まず、関羽らは民衆を見捨てるよう進言するが、劉備は聞かない。
やがて後続は追いつかれ、糜夫人は子(阿斗)とともに行方不明に。
趙雲が見つけたが、夫人は井戸に身を投げる。
趙雲は阿斗を布でくるんで縛り付け、敵陣を突破。軍に合流。
難を逃れた劉備軍は、孫権に助けを求めに孔明を派遣。
そこでは、降伏派の文官と、抗戦派の武官が対立。
孔明は、曹操が呉の土地と『小喬』をという美女を狙っていると伝える。
孫権は周瑜に相談。実は小喬は周瑜の妻。もちろん降伏などあり得ない。
孫権は曹操と戦うことを決意。劉備軍と同盟。
曹操軍の先鋒が襲いかかったが、「八卦の陣」によりこれを撃破。
しかし曹操軍の大船団が迫っていた。
PARTII
曹操軍は水上に不慣れなうえ、疫病が流行っていた。
そこに孫権の妹の孫尚香が兵として潜伏。一人の小隊長と出会う。
小隊長は尚香を「でぶすけ」と呼び、意気投合する。
疫病の死者は、日を追うごとに増えている。
孫権軍も曹操軍も、死者を弔う。
そんな中、劉備は軍を撤収。孔明だけが残ることに。
曹操軍は、船を鎖でつなぐ。
一方の孫権軍は、劉備軍が撤退したために矢が不足していた。
周瑜は孔明に、10万本の矢を10日で準備するよう要求。できなければ死罪。
ただし孔明は、3日で準備できると言ってのける。
1日。2日・・・なにも起こらない。
魯粛は焦る。
蒋幹が不意に、周瑜の元を訪れる。周瑜とは同郷である。
そこで蒋幹は、曹操軍の蔡瑁・張允が周瑜と内通していることを知る。
蒋幹は密書を奪い、周瑜の元を去る。
3日目。濃い霧が立ち込める。
カカシと孔明・魯粛を乗せた舟は、曹操軍の陣へ突入。矢を放つ。
曹操軍は、数倍の矢で応戦。
矢の雨がカカシに降り注ぐ。
10万本の矢を用意。
曹操は、蔡瑁・張允を疑っていた。
蒋幹の持ってきた密書と、蔡瑁の降伏上の筆跡が一致。
曹操は二人を処刑。曹操は止めたが後のまつりだった・・・
もちろん、蒋幹も毒殺される。
曹操の大軍が動き出した。
尚香は命からがら陣を脱出。体には陣を描いた布が巻きつけてあった。
曹操は疲弊した軍を前に、赤壁に勝って故郷に帰ることを誓う。
兵たちは「勝利」の大合唱。
北西に陣を敷いた。風は北西。風上。
ただし、数日経てば風向きは変わる。
黄蓋が「苦肉の計」を進言するが、その前に小喬が曹操のもとに向かっていた。
身ごもった体で。
冬至。孫権軍は団子を食べる。
各将は、周瑜に団子を1つずつ入れ、必勝を誓う。孫権も。
劉備軍は、その団子を作っていた。部下たちを死なせないように。
そして劉備も、周瑜に全面協力を誓う。
小喬が曹操の元へ到着。命がけで戦の中止を嘆願する。
そして、お茶をたてる。
風向きが変わった!孫権軍の船団が突撃。
曹操の大船団は火の海に!
後方からは劉備軍。
曹操軍は大敗。軍は小喬を血眼になって捜す。
一方の周瑜と趙雲は、曹操を探していた。
周瑜と曹操は、お互いの胸に剣を付き合う。
傍らには矢をつがえた孫権。
一方では、夏侯雋に剣を突き付けられた小喬。
曹操の命で突き落とされる小喬。
間一髪で趙雲と周瑜の連携により、子とともに無事。
周瑜は曹操に一言。
「勝者は、いない。」
三國志とは、西暦290年頃に晋(三國時代の後に統一を果たした王朝)に仕えていた陳寿(ちん-じゅ)という人物が著した歴史書です。
つまり、三國志は史実です。
ただ、三國志の物語はその後色々な経緯を経て民間伝承などで庶民に広まり、数々の伝説も生まれました。
それらを明の始め頃(14世紀末)に演義小説(分かりやすい言葉の時代小説)としてまとめられた『三国志演義』となり、史実と虚構の混ざった物語として流布しました。
日本で通常「三国志」と言えば、この『三国志演義』を指します。
映画『レッドクリフ』はこの『三国志演義』を元にしたジョン・ウー監督のオリジナルストーリーです。
で、主要人物ですが、後漢の臣下の曹操、後漢の皇族の末裔の劉備、孫子の子孫と言われる孫権の3人を軸に展開します。
劉備は黄巾の乱という反乱で天下が乱れた時に関羽・張飛とともに挙兵し、乱後に朝廷を牛耳った董卓、その董卓を殺した呂布、名族出身の袁紹、その従兄弟の袁術、皇族である劉表や劉璋ら群雄割拠の時代を乗り越え勢力を拡大します。
曹操は後漢最後の皇帝である献帝を保護し、河北(黄河の北部一帯)を統一した袁紹に官渡の戦いで勝利します。その後、荊州(長江の中流域)に地盤を持つ劉表の勢力を降し、江南(長江の下流南岸域)に勢力を持つ孫権も攻めます。劉表に身を寄せていた劉備は諸葛亮を得て江南に逃れ、孫権と同盟して赤壁の戦いで曹操を撃退します。
その後曹操は魏公→魏王となり、220年に病死し、息子の曹丕が魏を建国します。その間劉備は劉璋から益州を奪い、漢中王→蜀を建国します。孫権は少し遅れて呉を建国します。
その後は三国とも世代交代しながら戦い続け、蜀は263年に魏に滅ぼされます。魏は265年に臣下である司馬炎に倒され晋となります。呉は280年に晋に滅ぼされ、ついに統一されます。
野球チームだとしますと。
劉備オーナー
孔明監督
エース関羽
4番張飛
1番趙雲
孫権オーナーには周喩監督
曹操オーナーには司馬い監督
三国志とは184年頃~280年頃の中国の三国時代の出来事です。一般的に三国志と呼ばれているものは三国志演義という三国時代を基にした施耐庵、もしくは羅貫中の描いた物語を指しています。演義では劉備が主役、魏の曹操が敵役として描かれていますので『劉備=善、曹操=悪』と見られがちですが、曹操はとても優れた為政者であり、中国の歴代為政者でも指折りの人物です。
少し横道に逸れましたが、諸葛孔明とは『伏龍(諸葛亮)、鳳雛(ホウ統)のどちらかを配下にすれば天下が取れる』とまで言われた傑物であり、実際彼を配下に迎えた劉備は居候同然の身から皇帝にまでなりました。(もちろん、諸葛亮以外にも優れた人材がたくさんおり、またそれらの人材の心を掴んだ劉備も英雄と呼ばれるに相応しい人物といえます)
諸葛亮は実績の無い浪人の身である自分を見下さず(現代風に言えば遠方に住む頭がいいと評判なだけの浪人生を会社の社長が何度も直接スカウトするようなものです)、一人の賢者として遇してくれた劉備に惚れ込み一生をかけて彼とその息子に尽くしました。(諸葛亮の死因は過労と言われているくらいです)
非常に簡潔ではありますが、文字数の関係上これ以上は難しいのでお許し下さい。
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