三国志演義に詳しい方、教えてください。
呉の孫権は演義の中では、碧眼で赤い髪というふうにいわれているらしいですが、
そうなると、小数民族の出身ということになりますかね?
具体的には、どの民族の可能性がありますか?
ひょっとして西洋の血が混じっていたとか?
何分、三国志初心者なもので、とんちんかんな質問かもしれませんが、何かご存知の方、ご享受ください。
正史には碧眼の話は無く、演義の中での話しですが、それでも混血の線は薄いと思われます。
基本的に碧眼は寒冷地(日差しが弱い地域)の人種に出る特徴で、イメージとしては北方か西方ですから、南方を治めていた孫権に出るのは不自然です。
某トンデモアニメでは、曹操が異民族との混血で金髪碧眼でしたが、その方がまだ納得できる話です。
孫権が碧眼なのは混血を示しているものではなく、中国の「英雄観」によるものと思われます。
中国では「英雄」=「見た目も凡人とは違う」という観念があり、歴史上多くの人物が奇怪な容貌をしていたとされています。
他の人も書かれていますが、例を挙げると
劉備「自分で振り返ると見えるほど大きい耳」「膝まで垂れ下がった長い腕」
司馬懿「首が180度回り、真後ろが見える」
また三国時代以外では
劉邦(漢帝国の高祖)「龍顔(龍のように面長で鼻が突き出た顔)」「太股に72のホクロ(72は吉数)」
孔子「身長が188cmもある大男(当時としては異常なほどデカい)」
もそうですね。
因みにコレ、孫権以外は史書にはっきりと記載されているので、「史実」だったりしますが…。
はっきり言ってバケモノですね(笑)いくら広大な中国と言えど、こんな人間がゴロゴロ居るとは思えません。
中国独特の「英雄観」+中国お得意の「大袈裟な表現」による産物なのではないでしょうか。
「三国志演義」的にお答えすると、
当時、辺境一帯ではそれぞれ異民族との雑居状態が当たり前であり、
雑婚による混血も多かったとされます。
呉のあたりには、
山越(揚州、荊州あたりの中国南部の少数民族多数)
と呼ばれる異民族の血統が入っているとされます。
山越は、紀元前に会稽のあたりに存在した越国の末裔と言う説が有力で、
孫権とは叛乱を起こしたり時には慰撫されたりと因縁が深い関係です。
「碧眼紫髯(青い目に赤いヒゲ)」とされる「孫権」も、
南方異民族の血が入っていた可能性が充分あります。
ところが、
「正史三国志」に記載される孫権の外貌については、
演義と明らかな相違があります。
裴松之注に幾つか言及があります。
『堅為下邳丞時、権生、方頤大口、目有精光、堅異之、以為有貴象。』
[頤(アゴ)が張って、口が大きく、瞳にはキラキラとした光があった。]
(呉志・呉主伝裴注所引『江表伝』)
『張遼問吳降人、向有紫髯将軍、長上短下、
便馬善射、是誰。降人答曰、是孫会稽。』
[紫髯の将軍で、背丈は高いが足は短い。]
(同上『献帝春秋』)
これに拠ると「紫髯」は出てきますが、
「碧眼」はとの記載はありません。
孫権を「碧眼」とすることは『三国志平話』にも見えず、
『演義』の創作の可能性が高いと思われます。
「紫髯である」という言葉を根拠に、
「孫権」に南方異民族の血が入っていたとすることは、
出来ないと思います。
『演義』で「碧眼」とされる人物は孫権以外にも、
「南華老仙」(第1回)、
「李意」(第81回)、
「沙摩柯」(第83回)、
「孟節」(第89回)と結構います。
仙人・隠者・南蛮王ばかりです。
いずれにしろ、「碧眼」=「異人」としての記号なのは明らかです。
無論「異人」には「異民族」も含まれますが、
孫権の「碧眼」が「異民族」を意味するかは疑問符がつきます。
202年に「孫権」の母親「呉夫人」が亡くなっています。
彼女は呉(蘇州)の生まれで、
地元も名士の娘で、孫家より身分が高い家柄です。(呉夫人伝)
「孫権」の父親である「孫堅」も、容貌は非凡とかかれているだけで、
異民族の特徴を示す特徴は正史に見えません。
孫武の子孫だという話は、
陳寿が「子孫なのだろう」とぼかした表現を載せています。
正史という歴史書の記載としては、極めて不適切な描き方です。
劉備が中山靖王劉勝の末裔と称したのと同じで、
「はく」を付けるための方便に過ぎないのではという気がします。
孫氏は、
斉(山東半島)の名門の田氏で、
田完(BC700年頃)から五世の子孫が、
軍功あって孫姓を賜り、孫氏を立てたとされます。
先祖を遡っても、どうも異民族との接触に記録がありません。
孫権に異民族の血が入っているというのは、「演義」の創作であり、
ある意味夢がない話ですが、その信憑性は低いのではないでしょうか。
補足すると司馬懿は首が180度後ろに回りました。
「孫子」の兵法書を著した、中国春秋時代の孫武の末裔です。呉を基盤にしていた軍功のある一族です。信憑性に欠けるという説も根強いですが。
中国では大げさに書くので風体がおかしくなります。
中でも劉備は腕が膝まで垂れ下がり、耳が非常に大きく自分の目で見えたとありますから、どんな宇宙人かと(笑)。
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